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日本の心理学者は「血液型と性格」の結論を“忖度”している《続》 [論文]

前回の続きです。

論文の執筆者自らが「血液型によりデータの差が見られた」と結論づけている主な学術論文[本]ピックアップしてみました。
結果ですが、日本語の文献では「査読なし」ものしかありませんが、外国語では「査読あり」ものもあります。
奇妙なことに、日本人が日本語で書いた査読あり論文は必ず「差がない」のですが、日本人が英語で発表した査読あり論文では「差がある」場合もあります。

【日本語の文献】
■日本社会心理学会大会発表論文集(すべてポスター発表→査読なし
血液型ステレオタイプによる自己成就現象-全国調査の時系列分析I&II- 1991-92年
山崎賢治、坂元章
 →血液型によりデータの差が見られた
血液型性格項目の自己認知に及ぼすTV番組視聴の影響 2006年
山岡重行(聖徳大学人文学部)
 →血液型によりデータの差が見られた
潜在的な血液型ステレオタイプ信念と自己情報処理 2007年
久保田健市(名古屋市立大学)
 →血液型によりデータの差が見られた
■日本心理学会大会発表論文集(すべてポスター発表→査読なし
自分の性格の評価に血液型ステレオタイプが与える影響 2009年
工藤 恵理子(東京女子大学)
 →血液型によりデータの差が見られた
■研究紀要(査読なし
血液型性格判断の妥当性の検討(2) 1999年
白佐俊憲(北海道女子大学短期大学部)
 →血液型によりデータの差が見られた

韓国語の文献】
韓国心理学会誌(査読あり
Beliefs about Blood Types and Traits and their Reflections in Self-reported Personality 2005年
韓国人 So Hyun Cho , Eun Kook M. Suh , Yoen Jung Ro
 →血液型によりデータの差が見られた
A Review of Sociocultural, Behavioral, Biochemical Analyses on ABO Blood-Groups Typology 2007年
韓国人 Sung Il Ryu , Young Woo Sohn
 →血液型によりデータの差が見られた
【英語】
■Physica A: Statistical and Theoretical Physics(査読あり
Blood-type distribution 2007年
韓国人 Beom Jun Kim, Dong Myeong Lee, Sung Hun Lee and Wan-Suk Gim
 →血液型によりデータの差が見られた
■Plos One(査読あり
ABO Blood Type and Personality Traits in Healthy Japanese Subjects 2015年
日本人 Shoko Tsuchimine, Junji Saruwatari, Ayako Kaneda, Norio Yasui-Furukori
 →血液型によりデータの差が見られた

しかし、心理学的には「必ず差が出る」のですから、日本人が日本語で書いた場合に必ず「差がない」というのはおかしいのです。 
以上のことから、日本語の心理学論文では、執筆者が査読者の意図(血液型によるデータの差があるはずがない!)を“忖度”している可能性が高いことになります。

これを直接・間接的に裏付ける証拠もあります。
例えば、筑波大の清水さんの報告では、
今後の[日本の心理学会の]研究論文は,[血液型と性格に関係があるという]関連説を肯定的に支持する内容が含まれる限り,全て掲載に値しないという判断が下される可能性が極めて高いことになる。やはり,掲載を認めるわけにはいかないという結論が先にあるように感じられる。【清水武 心理学は何故、血液型性格関連説を受け入れ難いのか―学会誌査読コメントをテクストとした質的研究】
また、以前のエントリー
日経ビジネスオンラインに「血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的」という記事

では、東大の四本さんは「サイエンスとしての心理学の講義をとる以上、そこのところはちゃんとしてほしいです。血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的」と決めつけているようです。
東大の心理の権威が、血液型を「100パーセント非科学的」と決めつけているなら、心理学の論文として掲載されるのは「100パーセント」ないでしょう(苦笑)。

よって、日本の心理学会では「血液型と性格」の研究は完全にタブーであり、「関係がある」などという論文が認められる可能性は限りなくゼロに近いことがわかります。
その意味では、日本パーソナリティ心理学会のホームページにある次の記述は、そういう事情をうまく表していると言えるでしょう。
われわれ心理学者は血液型性格判断を生み出した責任をとって[注1],自分たちで血液型と性格との関係について科学的なデータを集めてきましたが,そうしたデータからは血液型と性格の関係がほとんど確認できていないことはご存知の通りです。
[注1]血液型性格判断の基礎を作った古川竹二(1891-1940)は昭和の初めに活躍した心理学者・教育学者です。
【出典:日本パーソナリティ心理学会の公式サイト】

なるほど…。
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