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シリーズ「血液型による性格診断を信じるバカ」第2回 [サイト紹介]

前回の続きです。

第2回 ネットで話題の論文は"河童のヘソ"である 2016.01.08
[http://healthpress.jp/2016/01/post-2198.html]

にはこうあります。

昨年、“血液型と性格にはやはり相関性がある”とネットで大きな話題となった、弘前大精神科・土嶺章子(特別研究員)らによる「PLOS one」掲載論文「健常日本人におけるABO血液型と人格特性【注1】」の内容を検討したい。
【注1】Tsuchimine S. et al.(2015):ABO blood type and personality traits in healthy Japanese subjects. PLOS one. 5/15/2015


しかし、この記事には土嶺章子さんの論文を「直接的」に否定する内容は発見できませんでした。
#直接的というのは、データを取ったということです。
なぜ、これで彼女の論文が否定されることになるのか、私は理解できません。


もっとも、「間接的」な否定と思われる文章は存在します。
「論文の客観的な評価に欠かせない二つの指標」として、次のものが挙げられています。

1. 論文の客観的な評価には2つの指標がある。第一は代表的な権威ある雑誌に紙媒体として載ったかどうかだ。雑誌そのものの評価には「インパクト・ファクター(IF)」といい、その雑誌が他の専門誌に何回引用されているかという指標がある。…
2. もう一つは「サイテーション・インデックス(CI)」といい、論文そのものが他の研究者によって何回引用されたかを示す。重要な論文ほど引用される回数が多くなる。


1. は【注1】の論文の掲載誌であるPLOS oneの3.53に対して、2014年の「ネイチャー」のIFは41.45、「ランセット」は45.22、NEJMは55.87、と述べられています。
しかし、この数字は参考になるとしても、彼女の論文を直接否定する根拠にはなるとは思えません。なにしろ、小保方さんのSTAP細胞の論文は「ネイチャー」に掲載されましたからね。[たらーっ(汗)]

STAP細胞が否定されたのは、ネットで騒ぎが大きくなり、最終的に「ネイチャー」の編集部が掲載を取り消したからです。「ネイチャー」よりもネットの情報の方がIFが高いということなのでしょうか? あるいは、ネットでいくら騒がれても、「ネイチャー」が取り消すまでは正しいということなのでしょうか?

2.もわかりません。多く引用されたから必ずしも正しいわけではないと思うんですが…。「特殊相対性理論」は当時の物理学会から白眼視されていたので、査読のある論文とはなりませんでした。では、現在も相対性理論は間違っているということなのでしょうか?

更に奇妙なのは、

2008〜13年にかけては脳内でニューロン間の刺激伝達に関係する物質として、カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)やインドールアミン(セロトニンなど)の血液中(?)濃度レベルが気質・気性に与える影響を研究していた。ところがこれをニューロンにあるアミン受容体の遺伝子変異にまで踏み込んで調べても「ネガティブ・データ」しか得られなかった。

と述べていることです。
しかし、彼女の論文のAbstractにはこうあります。
ここでは、2つほど例を挙げておきます。

1. Shoko, Tsuchimine, Yasui-Furukori Norio, Kaneda Ayako, Saito Manabu, Nakagami Taku, Sato Kimihiko, et al. 2008. "Association between monoamine oxidase A (MAOA) and personality traits in Japanese individuals." Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry 32 (8): 1932-5. doi:10.1016/j.pnpbp.2008.09.012.
[http://scicurve.com/paper/18845200]

Females homozygous for high-activity allele (4/4) had significantly higher persistence scores than those homozygous for the low-activity allele (3/3) (p=0.012, ANOVA). Meanwhile no difference in persistence was found between 3 and 4 allele in males. There were no differences between other scores of TCI subscales and MAOA-VNTR polymorphism. Our results suggest a gender-specific contribution of MAOA-VNTR polymorphism to persistence scores.

→女性では差があった(男性では差がなかった)

結論でも、「性別によって影響が違う」という意味のことが書かれていますから、「ネガティブ・データ」とは読めません。

2. Shoko, Tsuchimine, Yasui-Furukori Norio, Sasaki Kunihiro, Kaneda Ayako, Sugawara Norio, Yoshida Shuichi, et al. 2012. "Association between the dopamine D2 receptor (DRD2) polymorphism and the personality traits of healthy Japanese participants." Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry 38 (2): 190-3. doi:10.1016/j.pnpbp.2012.03.008.

Men with the Ins/Del genotype of the -141C Ins/Del polymorphism had significantly higher self-directedness scores than those with the Ins/Ins genotype (p=0.021). None of the TCI scores differed among women with regard to the three genotype groups of the -141C Ins/Del polymorphism. ...
These findings suggest the possibility that the -141C Ins/Del polymorphism and the DRD2/ANKK1 Taq1 A polymorphism are not strongly linked to personality traits directly, but influences them under the interaction between the DRD2 and ANKK1 genes.

→男性では差があった(女性では差がなかった)

結論として、遺伝子は直接的に大きな影響は及ぼしてないが、DRD2遺伝子とANKK1遺伝子の相互作用による影響はある、となっています。

どうしてこれが「ネガティブ・データ」なのか私には理解できません。

少々考えにくいのですが、難波さんの「読み落とし」という可能性もゼロではありません。
しかし、この記事には、私が2番目に紹介した「ドーパミンD2受容体の多形性と健常日本人の個性との関連」という英語論文についてのコメントがあるので、それはないでしょう。

ですので、一番可能性が高いのは、「ネガティブ・データ」でないことを知っていて、あえてそう書いているというこになります。[たらーっ(汗)]

私も、最初はこの記事がここまでト○デモな内容とは思ってませんでした。
しかし、驚いたことに、能見正比古さんの記述についても、ほとんど同じような感じなのです。
この点は次回に。

【参考】

Joe's Labo フリーランス女医が教える 「名医」と「迷医」の見分け方
[http://jyoshige.livedoor.biz/archives/8418055.html]

・既存の大病院や大学病院はこてこての終身雇用・年功序列型組織である
・そして、それらは崩壊の瀬戸際にある
・若手は上のものに無条件で服従すべきだというのが彼らの言う古き良き伝統なのだ。

ちなみに、土嶺さんは若手(中堅?)の研究者ですし、彼女を批判している難波さんは、1941年生まれの広島大学名誉教授です。


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